727人が本棚に入れています
本棚に追加
事件と言う言葉で、昼のワイドショーでよくやってる誘拐事件を思い浮かべた。
キャスターは、必死な様子で事件を伝える。
『大学生が、昼夜未明に誘拐されました!!』
サァァァっと血の気が一気に引く。
やっぱり、俺・・・。
すっごいヤバい状況にいるんじゃ・・・。
に、逃げなきゃっ!
脳が危険信号を、サイレンみたいにうるさく出す。
体が恐怖で震えながらも、俺はシーツを強く握りしめた。
そして男が座っていない反対側から足を地につけ、ドアへと駆け出す。
「おや、」
男は悠長に首をかしげた。
俺の突然の行動に驚いているんだろうか。
椅子から離れて俺を捕まえようとはしなかった。
イケる・・・!
そう思い、ドアノブに手をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!