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「君は僕のシンデレラをやる。そして僕は君に報酬を払う。どうだね?完璧なアルバイトじゃないか?」
「だっ、だからって!!シ、シンデレラって・・・!!」
ってか何やるんだよ!!
ドレスでも着ろってか!!
「・・・和泉様、つまり貴方は理人さんの婚約者の振りをするんですよ」
「・・・は?」
婚約者・・・?
シンデレラじゃなくて?
「あっ!ちょっと、魚住~!なんで先に言っちゃうんだよ。僕が言おうと思ったのにー」
「黙らっしゃい。貴方ときたら、ずっと和泉様をからかってばかりではないですか。貴方に任せては、日が暮れてしまいます」
ブーブーと口を尖らせて、不満をいう上司をピシャリと黙らす秘書。
ってか、本当に秘書かこの人?
収集がつかない上司にハァッと溜め息をついた魚住さんは、クルリと俺へと向き直る。
カチャリという眼鏡を鼻柱を押し戻す動作を忘れずに。
「アルバイトの内容は、1ヶ月後に控える結婚披露パーティーでの東條寺 理人の婚約者の振り。期限は、1ヶ月後までとします。報酬は、」
目の前に、かざされる一本の指。
1ってことは・・・。
恐る恐る、俺は口を開く。
「・・・1ま・・・、」
「1000万」
「1000万!?」
はぁ!?
1000万!?
諭吉が1000枚!?
たった1ヶ月で!?
なんだそのアメリカンドリーム的なもの!?
で、でも・・・。
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