そして僕たちは世界の果てを見た…

始まり

庭なんか、いまどき草原ですか？

ってくらい広くて。

固定資産税いくらだよ！！

って、突っ込みたくなる。

うちなんか、普通の一軒家だし、いまどき夕飯メザシ一匹だよ！！

お父さんは普通のサラリーマンだし、お父さんの実家はもう両親も亡くなってて、親族いないとからしいけど…。

その母の実家で、毎年春先に恒例のように親族が集まって記念写真を撮るのだ。

しかも、明治かよってコスプレまでして…。

なんでも、昔から年に一度だけみんなを写真として残しておくのが習慣になってるとか。

誰々に子供が産まれたとか、誰が結婚したとか。

冠婚葬祭で、身内が増えたり減ったりが一目で分かるとか。

結婚式とかで呼ばれなかったり行けなかった人と挨拶を交わしたり。

まぁ、年に一度の親族の挨拶会みたいなものだ。

しかし、明治時代のコスプレの意味が分からん。

昔からの写真を見比べた時、年寄りでも分かりやすいようにとかなのかな？

そのせいで、あたしなんか矢絣に海老茶の袴、編み上げの靴、結い流しの髪に大きなリボンだし…。

メイクも当然、ナチュラルしかダメ！！

写真用に、キメ！！メイクして可愛く撮りたかったのに。

…そうそう、その写真撮影。

親族でもないのに、あのジジイが来てるし。