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目の前にはシュートを打ったやつが倒れこんでいて、俺は後ろに立つ人物に脇をホールドされたまま立っていた。 背中の温もりと落ち着いた声に心臓がギュってなる。 「・・・つ柴田」 ゆっくりと首を捻った俺の目に映ったのは黒髪を少し乱した柴田だった。 わらわらとチームメイト達が走りよってくる。 「大丈夫か?」 長谷川が聞いてくる。 その横では倒れてる奴が引き起こされながら橘に怒られていた。 「お前みたいにデッカイ奴が光流を下敷きにしたら潰れちまうぞ」 確かに冗談でなく惨事になった確率は高かったと思う。 だからとても助かったんだけど。 柴田に抱えられてるこの状況が飲み込めない。 なんで。 どうして。 どうなった? 目を白黒させてる俺の顔を覗き込んで長谷川が手をヒラヒラさせた。 「大丈夫か、武藤?カバーしてた柴田が後ろに居て良かったな」 あ。 柴田、後ろに居たんだ。 だから助けてくれたのか。 「武藤?」 やっと自分の今の状態を飲み込めた俺に、柴田が再び問いかけてきてハッと我に返った。 瞬間湯沸かし機のように全身が発熱する。
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