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「右足が痛くて立ち上がれない」 とか 「教室まで行く階段が上れないから、このまま帰りたい」 とか 保険の先生に我が侭を言って担任への伝言とカバンの回収をお願いして、俺はクラスメートたちと顔を合わせる事無く帰路についた。 シップを貼ってもらった右足首は嘘でなく痛い。 歩けないほどで無いにしろ、精神的ダメージを受けている俺には十分すぎるくらい泣ける材料だ。 捻った程度で1週間すれば元通り過ごせるって言われた。 足を引き吊りながら歩く帰り道はいつもの倍の時間がかかる。 地面に視線を落としながら歩いてると不意に視界がぶれた。 うはっ、やばい。 慌てて上を向いて鼻をすする。 数秒そうしていると、なんとか引っ込んでくれた。 「何か・・・・・泣くとか、ねーよな」 ポツリと漏れる独り言。
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