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嘘だろ? 柴田が笑ってた。 コロッケくれた。 っつか!腹の音、聞かれた! ぼっと顔に火がつく。 あり得ない事が一度に起こりすぎて思考回路がついていかない。 学校は終わったのか、とか。 どうしてココに居たのか、とか。 なんで話しかけてきたのか、とか。 コロッケのお礼言い忘れた、とか。 もうぐちゃぐちゃだ。 そういえば、今の柴田。 制服じゃなかった。 いくら俺が足を引きずって歩いてるからって、そんなに時間経ったっけ? カバンから携帯を取り出して時計を見てみる。 まだ授業が終わって20分くらいしか立っていない。 柴田の家は知らないけど、確かバスで通ってたはずだ。 たった20分で家に帰って着替えてココに来るなんて出来るとは思えない。 じゃあ・・・今のは? 謎のコロッケ男。 顔は確かに柴田だった。 だけど柴田が自分にコロッケをくれるわけが無い。 笑いかけるはずが無い。 ・・・・・・白昼夢? 手にあるコロッケは齧り付くと暖かくって美味かった。         
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