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一晩経ってもコロッケ男の事が頭から離れない。 ホントに柴田だったらなんて、ありえない期待をしている自分もいる。 だって、何回思い返しても柴田なんだ。 見間違えるはずがない。 とぼとぼ教室まで歩いて戸を開ける。 一番に柴田が目に入った。 確かに、あの顔だった。 俺は橘がまだ来てない事を確認してから柴田に歩み寄った。 「柴田」 声をかけると整った顔立ちがこっちに向けられる。 心臓の動きが早くなるのが痛い。 「なに?」 「あ、あのさ。・・・」 用意してた言葉が出てこない。 いぶかしむ柴田の目に自分の気持ちを見透かされそうで思わずそっぽを向いてしまった。 「?」 柴田が怪訝な顔をしているのが分かる。 そりゃそうだよな。 このままじゃ埒があかない。 握り締めてた手を緩めて、小さく息をはいた。     
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