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思わず声を荒げた俺に友人たちが寄ってきた。 「なーに朝から喧嘩してんだよ」 「長谷川が武藤怒らすなんて珍しい」 「落ち着け、落ち着け」 「武藤、足痛めてんだろ?とりあえず座っとけ」 宥めようと伸びてきた手に座るよう促される。 しぶしぶ腰を下ろすと何だか気分も落ち着いた気がした。 「長谷川・・・悪かったな、ちょっと八つ当たり入ってた・・・」 「いや、俺の方こそ」 友達ってこういう時、居てくれと助かる。 俺なんか、特に意固地になるから第三者が間に入ってくれると仲直りしやすい。 いつもの様に雑談で盛り上がってる友人たちの隙間から柴田が見えた。 相変わらず話しかけてくる橘を無視している模様。 あいつらにも、こんな友達が居たらもっと上手くいくのかも。 そう思いながら目が離せなくなる。 やっぱあの2人並ぶとお似合いだよな・・・。 ん? 男同士でお似合いってのも変か。 「俺も髪、染めようかなー・・・」 橘の明るい茶髪を見ながら呟くと、周りの視線が一気に集中した。 「どしたん、武藤?」 「急に何言ってんだよ。武藤は今のままがいいって!」 「橘に感化されたのか?」 俺の視線を辿って柴田と橘に目を向けた友人たちが口々に反対する。 なんだよ。なに真剣に反対してくれちゃうわけ? 「武藤は茶色くしても似合わないよ」 トドメとばかりに長谷川の一言。 別に本気で言ったわけじゃないけど、そこまで言わると腹が立つ。 「なんだよ、感じ悪いな」 勢い良く立ち上がり教室を出ようとした俺に長谷川が走りよってきた。 「どこ行くんだよ」 「トイレ!」 「肩、貸そうか?」 「いらねー」 プイッとそっぽを向いて勢いよく戸をしめてやった。         
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