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仕事が決まってからの行動は早かった。
大河と白はすぐに旅支度を済まし、山伏さんと共に求菩提山に向かった。
向かう途中、山伏さんから現状を聞いた。
大河「それで、天狗はどんな悪さをしているんですか?」
山伏「天狗の悪行って大河君は知っているかい?」
大河「神隠しや投石なら知ってます。」
白『あとは天狗倒しや天狗笑いがあるな。』
大河の答えに白が補足した。
大河「天狗倒しに天狗笑い?なんだそりゃ?」
山伏「木を倒したり、誰もいないのに笑い声が聞こえたりすることだよ。」
大河の質問に山伏は微笑みながら答え、話を続けた。
山伏「普通はなかなか無い事なんだけど、最近、人ではないけれど家畜がいなくなったり、木を倒したり屋根に石を落とされたり、家の周りで笑い声が聞こえたりとオンパレードなんだよ。」
山伏の話を聞いて大河と白は呆れた。
大河「なぁ、白、天狗ってのはそんなに暇なのか?」
白『いや~元々修行僧や山伏が死んだときに天狗道に落ちてなる奴だからな~;』
白『多少は悪戯はしても、己を鍛えるのにほとんどの時間を使う奴らだぞ、黒影をみたらわかるだろ?』
確かに親父の式神のカラス天狗の黒影は仕事や親父の手伝いをしている時以外は鍛錬ばかりしている。
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