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「なっ、何?いつの間にそんな話になってたの?」
自分の知らない所で、こんなにも話が進んでいることにびっくりしながらも、隣で俺の動揺ぶりを見て楽しんでいる相葉ちゃんに聞いてみた。
「リーダーに相談しようとは思ったんだよ。思ったんだけどさぁ……」
「何回起こしても起きないから、`仕方ないね,ってみんなで決めたんですよ。それともリーダー、他に対決してみたい人でもいるんですか?」
ニノの言葉を受けて、翔くんと松潤も俺に視線を送る。
「いゃっ…、いないけど……。何でまたSMAPなのかなぁって……」
「`なんで,?リーダー、今`何で,って言った?」
今の俺の発言が、負けず嫌いの彼にはどうも理解できなかったらしい。
「リーダーはいいの?あんな恥ずかしいことずっとやらされて、悔しいとか思わないのかよっ!?」
「ま、松潤、落ち着こう?とにかく落ち着こう、なっ?」
話の筋が分からずボーっとしている俺の胸倉を掴み、今にも殴りかかろうとする松潤を、翔くんが慌てて止めに入った。
「俺らは、あの`対決,のことを言ってるんだよ。いくら先輩の番組だからって、今さらデビュー曲を振り付きで歌わされ続けるのは、我慢できないって話になって……」
「でも、原点に戻れる気がしてたまにはいいと思うよ。`初心忘れるべからず,って言うじゃない。それに、あの企画けっこう好評みたいだし……」
「そんなこと言うなら、リーダーはずっと原点に戻ってればいいよ。俺らはもう二度とやるつもりないから!!」
これだけを言い残して、松潤は楽屋を出て行ってしまった。
「……ちょっと、潤くん出てっちゃいましたよ。どうするんですか?」
「…………」
「リーダーっ!?」
俺たちの前では、めったに大きな声を出さない相葉ちゃんが出した大声に、その場にいた全員が相葉ちゃんに注目した。
「俺たちって、デビューしてから今まで1回もケンカなんかしたことなかったよね!?これからもずっと仲良しでいられるって思ってたのに……。もうこんな言い合いなんかしたくないよ!みんな仲良しじゃなきゃ嵐じゃないよ!!」
目にいっぱい涙を溜めて相葉ちゃんが出ていった。
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