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「それは……」
翔くんが話し出したその時、バタバタ足音が聞こえたかと思うと、楽屋の戸がバンッ、と勢いよく開いて若いスタッフが駆け込んできた。
「あっ、岡島さん。ここにいたんですか!?さっきから探してたんですよ」
「何だよ、今大事な話してるだろう?もう少し静かにしろよ」
岡島さんの呆れ顔も、気に留めない様子で、
「あっ!!あの、機材の調子がおかしくて、収録開始が1時間遅れるそうです!!じゃあ僕は他のスタッフにも知らせてくるんで失礼します!!」
彼は言うだけ言うと、入口の戸も開け放ったままで駆けて行ってしまった。
「相変わらずうるさい奴だな……まぁ、そう言うことだから。交渉がうまく行ったら連絡してよ」
岡島さんはそう言って楽屋を出て行った。が、しばらくして戻って来ると、
「本当にこっちで出演交渉しなくても平気なんだね?」
念を押すように聞いてきた。
「……そりゃあもう、リーダーがやるって聞かないんで。ねっ?リーダー」
いつの間にか、俺の横にいた相葉ちゃんが肩を組んで、俺の顔をのぞき込んでいる。
「`うん,って……えぇぇぇーっ!?!?」
俺の叫び声が、この広い楽屋いっぱいに響き渡ったのは言うまでもない。
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