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「ッ!?…やっぱり…」
俺は桜之宮の額に触れて確信した。
「熱があるじゃないか…」
桜之宮の額はかなり熱く、熱があることは明らかだった。
「だい…じょうぶ…ですわ」
俺から離れて立ち上がると軽くふらつく。
「どう考えたって大丈夫じゃないだろ!」
俺はそう言うと、保健室に連れて行こうとして桜之宮の肩に手を置くが--
「触らないで下さい!!」
--大きな声と共に肩に置いた手を桜之宮に振り払われた。
「えっ…」
いきなりの事に俺は呆然とする。
「ッ…」
桜之宮は気まずそうに自分の手を握る。
「わたくしは大丈夫ですわ…」
一度、深呼吸をすると俺を見て言う。
「それに--」
小さく呟くと俺に背を向けて歩き出す。
「--わたくしが出なくては意味がないんですの」
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