桃色少女と球技大会

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コートの中心付近に来ると観客の視線を感じる。 他の種目はもう終わったのか生徒がかなり増えていた。 「何を話していたんですの…?」 観客を見ていると桜之宮が俺に近付いて来て、周りに聞こえないように小声で話し掛けて来た。 「なんでもないよ」 「そうですの…」 俺の言葉に桜之宮は小さく頷く。 さっきよりも桜之宮の顔は赤くなっており、息も荒く体もふらふらしている。 「桜之宮は大丈夫か?」 「もちろんですの」 俺の言葉に桜之宮はきっぱりと答えると俺から離れる。 足元はふらついていて覚束ないからやっぱり心配になってくる。 『では、試合を再開します』 放送の先生の言葉を聞いた俺は意識を桜之宮から試合に切り替えた。
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