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「俺は桜之宮に礼を言われることなんてしてないけど?」
「いえ、お礼を言わないといけませんわ」
きっと俺を真剣な眼差しで見て言う桜之宮。
「御木君は雨の中でロケットを探してくれたり、馬鹿にされたわたくしの為に頑張ってくれましたわ…」
桜之宮は真剣な眼差しで俺を見つめたまま言う。
「何かお礼を御木君にしたいですわ。何かおっしゃってください」
そう言われても困るなぁ…それならあれで良いか。
「じゃあ、言うな」
「はい!」
俺の言葉に勢い良く頷く桜之宮。
「俺の事を御木君って言うの禁止な、そして俺も桜之宮の事を桃子って呼ぶから」
「はい…?」
驚いた桜之宮を尻目に俺は扉に向かって歩き出す。
「話は終わったんだ、帰ろうぜ。桃子」
「はい!」
俺が名前を呼ぶと桃子は勢い良く頷き歩き出した。
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