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-紗耶香side-
「何って、ソイツのクラスメイトだよ」
新しく聞こえた男の声の方に視線を向けると見知った奴が居た。
御木透也。
話した事は数回あるが悪い奴では無いらしい。
その証拠にコイツの周りにはオレと違っていつも誰かが居る。
そんな接点の無い奴がなんで話し掛けて来たんだ?
「そのクラスメイトが何の用だ?」
オレの思考を遮るように男が口を開く。
「用か…強いて言うなら注意かな?」
リーダー格の男が睨みながら凄んでも御木は顔色一つ変えずに返す。
「注意だぁ?」
御木の態度に機嫌を悪くしたのか男は凄む。
「そう、嫌がってるんだから手を離して欲しい」
御木はサラリと言うが、男はその言葉で頭に血が昇ったらしい。
「おい、シメるぞ」
その言葉にオレを押さえ付けていた手から力が抜けた。
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