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「ちょっと貸して」
「あっ…」
俺は桃子の手からにんじんを取ると、にんじんを縦に半分に切る。
半分に切ったそれを一口大の食べやすい大きさにきる。
「ほら、にんじんはこういう風に切るんだよ。やってみな」
俺はそう言って桃子に包丁を差し出す。
「分かりましたわ」
桃子は一度力強く頷くと包丁を手にする。
だが、包丁の先は震えていて見るからに危なっかしい。
「ほら、ちゃんとにんじんを持って」
俺は背後から桃子に近付くと桃子の手に自分の手を重ねる。
「ふぇっ!?」
桃子は何故か顔を真っ赤にしてプルプルと震え出すが、俺は気にせずににんじんを切っていく。
にんじんを切り終わると俺は桃子から離れる。
「ほら、こんな感じだよ」
「あっ…」
俺が離れると桃子は残念そうな声を出すんだがなんでだろう?
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