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「危ないから離れて!」
俺は怖がっているみんなに大きな声で言う。
「キャァァァァ!!」
青井は一際大きな声を出すと後ろに下がる。
普通に後ろに下がるだけなら良かったが--
「あっ!」
--青井が下がった先は急斜面だった。
グラッ
「えっ…?」
大きくバランスを崩し後ろに倒れていく青井。
このまま行けば青井は急斜面を転げ落ちて大怪我をしてしまう。
「青井っ!」
気付いた時にはとっさに走り出していた。
俺は飛び出すと青井の腕を掴む。
「なっ…」
俺が腕を掴むと青井は目を見開く。
そのまま俺もバランスを崩す。
「透也っ!」
俺を呼ぶ声に振り返ると小次郎が俺に向かって手を伸ばしていた。
「くっ!」
俺も手を伸ばすが、無情にも手は届かない。
「うわぁぁぁぁっ!!」
「キャァァァァッ!!」
俺と青井は急斜面へと落ちて行った。
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