赤色少女と猫と俺

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それはある日の放課後。 入学式から二週間が経った日。 その日は薫が家の用事、豊が委員会、小次郎が先生の手伝いという事で俺は一人で帰っていた。 「あれは…」 一人で家に居てもつまらない為に駅前にある大きな本屋で立ち読みをした帰りに通り掛かった公園に彼女は居た。 うちの学校の女子用の制服に身を包んでいて、膝を折ってしゃがんだ体勢で何かをしていた。 一番特徴なのがその女子生徒の髪だ。 茶髪に青目の俺が言える事じゃないが、その女子生徒の髪は赤毛だった。 ちなみに俺が知っている女子で赤毛なんてのは一人しかいない。 普段はそのまま立ち去る所だったが今日の俺は違った。 俺は公園に入るとその女子生徒に近付くと口を開く。 「何してんだ赤石?」
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