赤色少女と猫と俺

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「ふぅ…全然見つからないな…」 「そうだね…」 公園を出てから二時間が経ったが、タマの飼い主は見つからなかった。 日はもうかなり傾いていて辺りは暗くなっている。 「赤石、時間は大丈夫?」 俺は携帯を確認している赤石に声を掛ける。 「ふぇっ!?だ、大丈夫だよ!」 俺の言葉に赤石は慌てて顔を上げる。 その反応に俺は違和感を覚える。 「嘘つくなよ、さっきから何回も携帯を確認してるじゃないか」 「…………」 俺の言葉に赤石は黙ってしまう。 「赤石」 俺が名前を呼ぶと赤石は口を開く。 「実はお母さんから今日は19時までには帰って来なさいって言われてるんだ…」 「19時って…後30分じゃないか…」 「うん…でも大丈夫だよ!」 俺の言葉に赤石は言う。
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