赤色少女と猫と俺

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俺の言葉に薫は苦笑いを浮かべながら口を開く。 「最近まで知り合いの猫を預かってたんだ。それで家に猫のエサの缶詰があるんだ」 「そうなんだ…じゃあ今日家に寄るよ」 「分かった」 薫の言葉に俺はにっこりと微笑む。 「あっ、居た…」 俺達は屋上で飯を食べていて、他には人が居なかった。 その屋上に俺達以外の言葉が聞こえるのはおかしい。 不思議に思って入口の方を向くとそこに居たのは赤石奈美だった。 「赤石…」 赤石は俺達を見つけると近付いてくる。 「御木君…タマどうしてる?」 「あいつは今は俺ん家に居るよ」 「そうなんだ…」 やっぱりタマが心配だったのか、赤石は俺の言葉に胸を撫で下ろしている。 その反応に俺は少し笑ってしまう。
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