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「全然待ってないよ」
俺が笑いながらそう言うと薫も笑みを返す。
「はい、コレ」
「ありがとな」
俺は薫が差し出したビニール袋を受け取る。
袋の中には缶詰が俺の予想よりも多く入っていた。
「こんなに良いの?」
「ああ…もう必要ないから」
「灰村君ありがとうございます!」
袋を覗き込んでいた赤石が薫に頭を下げる。
「じゃあ、俺達はもう行くよ。薫ありがとう」
「灰村君、また明日ね」
「また明日」
俺達はそう言って薫の家から離れていく。
「ただいまー」
「お邪魔します」
「にゃ~」
赤石を連れて俺の家に入るとタマが玄関まで迎えに来てくれた。
「タマ~良い子にしてたか?」
「にゃお」
俺が抱き上げて言うとタマは嬉しそうに鳴く。
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