赤色少女と猫と俺

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「ユキちゃんか…良い名前ね」 「ユキちゃん!」 美佳さんはユキの頭を撫でながら微笑んで言い、美波ちゃんは俺からユキを受け取るとぎゅっと抱きしめる。 「にゃお!」 「やめなさい。ユキちゃんが苦しがってるわ」 苦しそうな声を出すユキを見て美佳さんは美波ちゃんに言う。 「はーい」 美波ちゃんは渋々答えるとユキを床に降ろす。 ユキは床に着くと俺に近付き膝の上に乗る。 「もう、こんな時か…」 ふと、時計を見ると時計の針は19時を指していた。 「本当だ…そろそろおいとましないと…」 俺がユキを抱えて立ち上がると、赤石も立ち上がる。 「あら、帰られるんですか?」 「はい、失礼します」 美佳さんに言うと俺達は玄関に向かった。
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