赤色少女と猫と俺

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「「お邪魔しました」」 玄関で俺と赤石は美佳さんと美波ちゃんに頭を下げる。 「また、いらしてくださいね」 「お兄ちゃんにお姉ちゃんバイバーイ!」 美佳さんはにっこりと微笑み、美波ちゃんは俺達に元気良く手を振って言う。 俺達はもう一度頭を下げると橘家を後にした。 「じゃあ、俺こっちだから」 「うん、じゃあね…」 分かれ道に来た俺はそう言って歩き出そうとしたが-- 「御木君待って!」 --赤石に呼び止められて俺は足を止めた。 「どうした?」 「あっ、あの…」 赤石は深呼吸をすると俺の顔を見る。 その仕草がタマの飼い主を探し始めた時と被って俺は笑みを零す。 「わ、私も明日から御木君達と一緒にお昼食べて良いかな?」 赤石は顔を真っ赤にしながらも俺に言った。
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