赤色少女と猫と俺

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「じゃあ、俺は帰るな」 「うん。バイバイ」 「ああ…」 歩き出した俺に手を振る奈美に俺も手を振り返した。 マンションにたどり着くと郵便受けから手紙を取り出す。 差出人を確認するとユキを抱えてエレベーターに乗る。 エレベーターから降りて家の前に来るとポケットから家の鍵を取り出し開ける。 「ここが今日から新しく住む家だぞー」 「にゃお♪」 俺の言葉にユキは嬉しそうに微笑む。 リビングに入ると真っ暗な部屋の電気を着ける。 「ちょっと待っててな」 俺はユキを待たせると薫に貰った猫缶をお皿に乗せて出す。 「にゃー」 ユキは嬉しそうに鳴くと勢い良く食べ始めた。 その光景に自然と笑みを零した俺は着替える為にリビングを出て行った。
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