緑先生のお手伝い

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ビシッ 「痛っ」 気が付くと緑先生にデコピンされていた。 「さっさと席に着きなさい」 「はーい」 俺から離れて教壇に立つ緑先生の言葉に従って痛む額をさすりながら席に着く。 「おはようございます。透也君」 「おはよう。奈美」 この間の席替えで席が隣になった奈美が俺に挨拶をする。 俺はもう当たり前のように奈美と呼ぶ。 奈美も呼び方を変えて最初の頃は、時々間違えたりしたが二週間も経つとすっかり慣れたみたいで普通に呼んでくる。 「今日はなんで遅れたんだ?」 ふと、俺の後ろの席の薫が話しかけてきた。 「さっきは電話ありがとう。実は時計が止まってたんだ」 「そうか…」 「こら御木!遅れて来たのにお喋りするな!」 薫と話していると緑先生に怒られてしまった。 「すみません…」
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