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「彼氏か……前の彼氏と別れてから、私の心を掴む男が現れないんだよなぁ…」
俺の質問に緑先生は少し考えると、呟くように答えた。
「心を掴む？」
不思議そうに聞き返した俺に緑先生は頷いた。
「そう。私の心をがっちりと掴んで離さない男がいないんだよ…」
そう言うと緑先生はジュースを一口含む。
心を掴むか…
確かにそう考えると緑先生の浮いた話を聞かない理由も納得出来る。
「そんな人いるんですか？」
「いる…絶対にいる」
冗談っぽく言った俺の言葉に、緑先生は真剣な表情で言った。
その顔は窓から射す夕日が当たり凄く綺麗だった。
「どうした？」
「い、いえ…」
緑先生に少しの間見取れていた俺は言葉を掛けられて慌てて首を横に振る。
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