桃色少女と球技大会

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「何でそんなに頑張っているんだ?」 俺は桜之宮の隣に腰掛けながら軽い気持ちで聞いた。 「…………」 しかし、桜之宮からの答えは返ってこずに黙っている。 「どうした?」 「わたくし……」 不思議に思って俺が聞くと、いきなり桜之宮が口を開いた。 「わたくしは桜之宮財閥当主の一人娘なんです……」 ポツリポツリと語り出す桜之宮、俺は何も言わずにそれを聞く。 「小さい頃から父に『何でも一番になれ』と言われて育てられて来ました……」 話しながら顔を俯かせていく桜之宮。 「だから、わたくしは勉強、スポーツ、習い事等全てにおいて頑張って来ました……」 そう言うと桜之宮は立ち上がり転がっていたボールを手に取るとゴールに向かって投げる。
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