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「誰かカワイイ子いないかな~?」
今は入学式の真っ最中のはずなのだが、俺の横では馬鹿(豊)が体育館の中をキョロキョロと見回している。
「おい、大人しくしろよ」
「カワイイ子~♪」
俺の声が小さいからか、それともコイツが馬鹿だからかは分からない(おそらくは後者だと思う)が、見回すのをやめない。
横を見ると薫や小次郎はきちんと前を向いて話を聞いている。
仕方ないか…
小さくため息をついた俺は豊の鳩尾に肘打ちを叩き込み気絶させた。
「ふぅ…一件落着」
『次は校長先生のお話です』
スピーカーから流れる進行役の女子生徒の声に俺が檀上に顔を向けると、袴を身に纏った大男が舞台袖から現れる。
年齢からして60は明らかに越えているはずなのに体ははち切れんばかりの筋肉だった。
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