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「若人よ!よくこの学校に来たな!儂が私立向陽館高校校長の紅 猛志(くれない たけし)だ!」
マイクも使っていないのに体育館中に響く声。
二年生や三年生の在校生は慣れたのか普通だったが、俺達新入生はその声量に驚く。
「すっげー声」
さすが、熊を素手で100匹倒したとか、鉄パイプを飴細工のように曲げるだとか、鋼鉄を素手で砕く等の計り知れない伝説を持つと噂の男だ。
「男子よ!肉を食し力をつけろ!女子よ!人と接し優しさをつけろ!儂からは以上だ!」
紅校長はそれだけを言うと大股で歩いて檀上から舞台袖に消えて行った。
はちゃめちゃな人だなぁ。
『次は生徒会長からの挨拶です』
そんな事を考えていると進行役の女子生徒の声が聞こえ、いきなり体育館の照明が落ちる。
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