桃色少女と球技大会

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「あっ、忘れ物した」 校門まで来て教室にノートを忘れた事に気付き、踵を返して学校に戻る。 教室の中には既に人は居なかったが、目当てのノートは机の中にあった。 「さーて、帰る…!?」 何気なく見た外の景色に俺は驚き目を見開くと窓に近付く。 「何やってんだよ…!!」 俺は小さく呟くと教室から飛び出した。 俺がグラウンドに来ると人っ子一人いなくて"その人"だけが居た。 "その人"は大雨の中にも関わらず傘もさしていなかった。 「くそ…」 俺は小さな声で悪態を突くと"その人"に近付く。 「あっ…」 "その人"は俺に気付くと顔を上げた。 「こんな大雨の中で何やってんだよ……桜之宮」 大雨の中に傘もささないでいたのは桜之宮桃子だった。
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