桃色少女と球技大会

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「その…大切な物を無くしまいまして…」 俺の言葉に力無く答える桜之宮。 「とりあえず傘を」 そう言って俺は桜之宮に自分がさしていた傘を渡す。 雨が強いがあまり気にはならない。 「無くしたって何を?」 「その…ロケットを…」 「分かった」 桜之宮の言葉に小さく答えると俺はロケットを探し始める。 「な、何を…」 「決まってるだろ。ロケットを探してるんだよ」 驚いたように聞いてくる桜之宮に俺は答える。 「どうして…」 「桜之宮はエースだから風邪を引かせる訳にはいかないよ」 不思議そうに聞いてくる桜之宮に俺は桜之宮を見ずに答える。 「で、でも…それでは御木君が風邪を引いてしまいますわ」 「大丈夫。俺って結構頑丈だから」 心配そうな桜之宮に俺は軽く微笑んで答える。
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