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「ん…んん、ふぅ」
少女は背伸びをしてから立ち上がった
白い無地のTシャツに青いショートパンツ、肩の下くらいまで伸びた黒い髪をポニーテールにしている
背は俺より顔半分くらい低く、リンの言った通りスタイルは良い、肌は夕日と同じ白い色
すっとした輪郭、大きな目、左目の斜め下に泣き黒子、スッキリとした鼻、緩やかな波のような笑った口
…モテるんやろな
「で、キミはなにしてるの?」
少女は俺に言った
「こっちのセリフや!人んちで何やっとんねん!?家帰らんかい!」
「家は…ないの」
「は?」
家がない?何言って……
「私には家族がいないの。それでどうしようかと思って、歩き回ってたんだ」
「……」
少女の言葉を静かに聞くことにした
「そしたら、この家の上に可愛い猫が何匹かいたから、屋根に登って遊んでたの♪」
「…うん?」
真面目という壁をバズーカで簡単に破壊されたような気持ちになった
つか、屋根に上がるって…キミは軽業師?
「だんだん暗くなってきて、どうしようと思ってたらキミが声をかけてきたんだよ」
「俺が?…なんて?」
「にゃ~、と、はよ帰って寝ろよ~…だったかな」
あの猫はお前かい!
「しばらくして部屋を見たら窓が開いてて、キミが寝てたから、一緒に寝ちゃった」
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