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「で、質問です、先生!」
少女は床にペタンと座り、白くて細い腕を、まっすぐ挙げた
「なんでしょう」
「キミの名前は何ですか?」
…よく見ず知らずの人の家に入ってこれたな
尊敬してやろうではないか
「間宮太陽、15歳の高一。お前は?」
「わ、私?私は~…」
?
名前を言うだけなのに口ごもって下を向く少女を見て首を傾げる
「どないしてん?」
「私の名前…キミが付けてくれない?」
思わぬセリフに一瞬固まってしまった
「…はい?」
「そう……そうだよ!ねぇ!私に名前を付けてよ」
聞き間違い……やな、うん
頭を軽く叩いてみる
…耳か頭がおかしいんかな…俺
「何言ってるの?どこもおかしくないよ」
またまた、思わぬセリフに固まってしまった
「何も言ってませんよ!?心の中を読まんといて!」
「…今ね……私には名前が無いんだ。新しい名前は太陽に付けてほしいの」
少女は潤んだ目で俺を見ている。真っ赤になっているであろう顔を横に向けた
呼び捨て…てゆーか、かわいい…俺の血流が大暴れですわ
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