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「いやぁ~兄貴は新聞社のエリート社員だからさ。俺中卒だし。母さんが回復してからまた高校通うのは気ひけちゃって。今に至る」
武志は23歳。母親がちゃんと退院したのは武志が二十歳になってからだったそう。
「兄貴はさ、よく言うんだよ。あの時俺にもっと経済力があればって。けどあの時兄貴もまだ新入社員。タイミングが悪かっただけなのに。親父なんかすげぇ稼いでる癖に一円も出さなかったし」
ふっと武志の表情が和らぐ。
「俺今は結構楽しいし。好きな車を好きにいじるだけの金有るし。頭悪かったし
多分あのまま高校に通ってもただの能無しだったな。あの時辞めて頑張ったから、今は結構稼げるようになったし」
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