50人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
ガチャッ…………
「「っ…………………………」」
突然扉が開いた音。
2人は同時に息を止めた。
それは身の危険を感じた自己防衛からか、はたまた今までの経験の賜物か………
2人は目配せし、頷き合うと、同時に走り出した。
非常に息が乱れ、まともに走れない2人。
だが、静止の声や、殺気を感じない事から、背後を確かめてみるも、
「………いない…………兄様?」
声は虚しく響くだけ。
とぼとぼと2人は引き返す………
コソッと部屋を覗き、ティーダがいない事を確認して、首を傾げる。
「………何故?
兄様がおかしいです………」
「うん?…………確かに…………?」
2人は悩みながら、屋敷を歩いていく…………
「おはようございます。ルーア様、アール様。」
その途中で声をかけられた。
「テスタロッサ………」
現れたのは柔らかな栗毛を背中まで流した………
燕尾服の美女。
テスタロッサ・ライオット。
長身でスタイルも良く、物腰も柔らかで、バルマス家でも侍従長の一角となっている。
ちなみに、もう一人は、テスタロッサの双子の姉のキラーディア・ライオット。
まぁ………マッドサイエンティストをやっている………
テスタロッサが武や舞を、キラーディアが智や賢を司っていた。
ついでに言えば、2人は昔からこのバルマス家にいる従者ではない。
5年ほど前にティーダが河原で拾ってきた捨て子だったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!