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桜の下の約束
「来年もここに来よう」って
何度も確かめあったけど
今も果たせぬまま
†桜日和†
陽射しの心地よい昼過ぎ、瀞霊廷の影とも云える場所に二つの姿。
「…こんな場所、何時から知ってたんだ?」
「そぅやな―…冬と付き合うちょっと前やったはずやけど」
二人の前には淡く咲き乱れる桜が一つ。
執務室から半ば強引に自分を連れ出した市丸に、最初はご立腹だった日番谷も
この場所を見た瞬間機嫌が治ったらしく、外見相応の無邪気な一面を覘かせて桜を見上げている。
「本当に綺麗だな…間近で見たのは久し振りだ」
「冬は真面目やからなァ。中々休みとれんのやろ?」
「俺が真面目なんじゃなくて、お前がサボり過ぎなだけだろ」
何時もの如く相変わらずの辛口コメントを言いながらも
舞い散る花びらに手を伸ばして戯れる様子は、とても扇状的で美しい春景色に良く栄える。
「…ふーゆ、こっちおいで。」
「何、どうかし――…ぅわっ!ちょっ、」
市丸の呼び声に反応して近寄った瞬間、軽々と抱きかかえられて市丸の膝に乗せられた。
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