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肩を揺らして息を整える日番谷を、半ば押し付ける様に抱きしめる。
「……市、丸‥どうかした――…」
「…冬、僕だけ見て」
――…桜に嫉妬したんだ――…
元々独占欲が強い市丸に毎回振り回されている日番谷は一瞬でそれが分かり、腕の中で僅かに笑った。
「…俺は、市丸しか見えてない。だから…心配するな」
小さく呟いて、逆に細い腕を背中に回す。
それと同時に市丸が顔を上げた。
「…優しいんやね、そないやと僕不安になってまう」
「…桜相手に嫉妬すんなよ…大体、優しくしてんのは‥お前、だけなんだからなッ」
「…嬉しい事言ってくれはるなァ、冬はホンマに桜みたいな子なんやね」
顔を真っ赤に紅潮させてそっぽを向くと、頬に手を添えられて額に触れるだけのキス
風が吹いて、桜の花糜爛が舞い散った。
君と僕と"桜日和" 風にそっと甦る
まだ見ぬ未来を 胸に抱いて
見上げた先は 桃色の空
→後書き
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