プロローグ

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ここは「由の高校」(よしの高校)と呼ばれる学校。 ここにはなんら変哲のない少年がいた。 いや、特徴を強いて言えば女性ホルモンの強めの顔立ちであるが。 とにかくも、彼には一つの取り柄(?)があったのだった。 それすなわち。 「異常とも言える悪運」である。 生まれつき悪運が異常なまでに強かった。 「悪運」と名の刻まれた王冠を携えて「偶然」を着こなして歩いているような異常者。 それが彼である。 異常とも言える悪運がいったいどう言うものなのか? いろいろと運がある・・・というわけではもちろんない。 一般的に言う「偶然」や「ラッキー」と言われる物が・・・・強烈・・・ということだ。 要は不幸に思える様でも幸運の様にも取れるハプニングが日常茶飯事であった。 例えば、どこからか唐突に飛んできた野球ボール。 コレを偶然にコケて当たらずに済む。 本来ならば頭蓋骨陥没並みの事故になっていた。 キッチンで火が轟々と音を発てて燃え上がろうと、たまたま水道管が破裂して大事に至らず・・・ またある日は自動車の接触事故に巻き込まれそうになったときに、これまた偶然と無傷となる・・・
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