六車藍子④

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「食事の前に要件を済ませましょ。手短にお願いね」  いつの間にかすっかり主導権を握られてしまったが、これも大学時代とかわらないので特に抵抗感はない。  私は鞄からA4サイズの茶封筒を取り出して、リリコに手渡した。  中には東隆之の履歴書をコピーした紙が同封してある。 「身辺調査をお願いしたいの」  リリコなら何かしらの情報が得られると思った。普段は浜松町の会社で受付嬢をしているリリコだが、彼女には裏の顔が存在する。 『合コンの女王』  学生時代から存在するリリコへの別名である。
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