mother

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幼い頃の記憶 忘れたい過去の一つ ママが私たちの為に 深い傷を負った‥ 周りは嘲笑って 私たちは哀れみを受けた 何も感じなかったと言えば嘘になる だけど我慢出来たよ ママは私たちのためにあの男と寝たんでしょ? 化粧でごまかしていた 笑顔とアザ ママは誰よりも綺麗だよ だから私をこれ以上ぶたないで 我慢していたのに 込み上げてくるから 良い子にしていても 何が気に入らないの? あの男にぶたれて 私をぶって 私も弱い者をぶった この世の中に光りなんて無いと思っていた 「汚ないのはあの男だけ」って大人になるに連れて思えなくなってゆく お互いに出来た隙間は未だに埋まる事なく ママは自分を許そうとしない 私はもっと傍に居たいよ オレンジに光る空を見ては 言い聞かせた 「こんな世界が嘘なんだ」って 時には逃げ道も必要で 向き合う事を恐れた もうこんな子は必要ないんでしょ? だから私は‥ もう行くね 今度また会えたら 笑えてると良いね ママは独りじゃないよ その事を 忘れないで‥
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