0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
一ページ。
僕にとって一番特別な一ページ。
「ルウ、テンション高い。ふーん、確かに綺麗な絵ね。」
「それだけ?」
「綺麗だと思うよ?ただ、ルウほどテンション高くはならないよ。ホント月が好きなのね、ルウ。それに本物の満月の方がもっと綺麗でしょ?」
「うん…。そうだよね。どんなに綺麗に絵を描いても実際の満月の方が綺麗だよね。やっぱ見てみたいな、満月。」
とナナウィが「え?なに言ってんのこいつ?」みたいな顔で
「見たことないの?」
と言うもんだから
「無いよ。」
とはっきり言った。
「ウソ、満月よ?一回ぐらいあるでしょ?」
「無いんだよ、一回も。不思議なこともあるもんさ。」
「へぇー。不思議っていうか……変人?」
「ひどいな、ナナウィ。」
という感じのやりとりが続き、だんだんと会話も薄れてきたところでナナウィが
「もう帰るね。」
と。もう少し一緒に居たいとも思ったけど
「あぁ。おじさん達によろしくね。」
と諦めた。
「どうせ明日の朝会うでしょ。」
彼女はドアを開け外にでて…、
いきなり振り向いて
「ねぇ、明日満月だよ。2人で見よ。前に連れてってもらった丘で。」
「え?」
「約束よ♪じゃね。」
小さな月は自分の家へと消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!