#01 『火鼠の皮衣』

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( ^ω^)「これは何に使う物? というか君が作ったのかお?」 ξ゚⊿゚)ξ「簡単に言うと月まで行く為のシェルターみたいな物かな?」 ( ^ω^)「月へ行く? 何を行ってるんだお」 ξ゚⊿゚)ξ「あー……カルチャーショック」  と、いうわけで簡単に説明して貰った。月には人がいる。その昔、ここから旅立ち、そのまま居着いた人達が。  勿論、人が月に行くなどとは信じられなかった。この上に向かう力など、存在しない。跳ねてみても、必ず再び足が地面につく。それがこの世の常識だ。  だが、彼女が言うには「地を蹴る力が浮力となり、その浮力を延々持続させられれば月までなら簡単に行ける」らしい。確かに、地を蹴れば少しは浮かべるから、それは納得した。 ξ゚⊿゚)ξ「それを可能にさせたのが月の技術であり……あー、私じゃないわよ、空に浮かんでる月の」  とは言われたって納得出来ないけどね。 ξ゚⊿゚)ξ「それにしてもココもこんな田舎だったかしら?」 ( ^ω^)「都は結構近いが、田舎は田舎ですお」 ξ゚⊿゚)ξ「ビルとか建ち並んでいた気がしたけど」 ( ^ω^)「ビル……?」 ξ゚⊿゚)ξ「まさか……今、西暦何年かわかる?」 ( ^ω^)「西暦……?」 ξ゚⊿゚)ξ「…………」  何かまずいことでも言ったのか、彼女はまるで眩暈がしたかのようにふらふらして倒れる。慌てて身体を支えるも、急に目を覚ましたかのように立ち上がった。
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