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#01 『火鼠の皮衣』
広陵の地に一つの山があった。『天香具山(あまのかぐやま)』と呼ばれるその地には、昔から謡い継がれる伝説があった。
( ^ω^)「この竹はよさそうだお……」
僕も、そんな伝説に躍らされた愚かな一人の人間。名を内藤ホライゾンという。ちなみに愛称はブーン。
『天香具山』には『黄金に輝く竹』の伝説があった。大昔に、山の麓に住む翁が山に入った所、自らが眩しく黄金の光を放つ竹を見付けたそうな。
それから一悶着二悶着あったりしたかどうかはさておき、『黄金』という部分だけが彼を突き動かした。「すぐ裏の山にあって黄金とかまじパネェ」という安易な考えからその伝説を信じ僕は山に入ったのだが、いつの間にか竹取りを生業として今まで生きてきていた。
ついでに、山の事ならなんでもござれ、と胸を張れる程にその山に詳しくなった。獣道だろうが全て我が物とした、僕に迷うなどという言葉はない、と村では豪語する。
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