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音は扉からしている。ノックだ。こんな真夜中に来客なんだろうか。夜中に騒いでも近所迷惑にならない位置に家はあるというのにな……誰かが尋ねてくるとは思わないが。
流石に二人が一斉に黙ってしまったので知らないフリでそれをスルーなど出来まい。僕は仕方なく扉に手をかけた。
(;^ω^)「……ッ!?」
取手へ触れた瞬間、扉を突き破って植物の蔦が伸びる。一瞬にして僕の右腕が扉にがっちりと固定されてしまう。反応が遅れたがなんとか逃れようとするも、根が張り巡らされているのか、いくら力を入れても蔦の這い回った扉を動かせない。
いくら足に力を込めて地を蹴ろうが無駄、全身の体重を込めても無駄、左手で蔦を断ち切ろうとしても無駄。
右腕以外は拘束しなかった理由はここにある。
¥・∀・¥「ただ縛られるだけとは、やはりただの凡夫、か……何故、火の使い手がこんな奴に負けたのだ?」
壁を破壊し現れたのは恐らく池に放置してきた男の仲間なのだろう。火の使い手、と言った。間違いない。ということは、彼にも不気味な力が……火を繰り出すような摩訶不思議な能力が……それがこの『植物』だと言うのか?
( ^ω^)「恒例の蔦です」
¥・∀・¥「蔦好きだから仕方ない」
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