#02 『蓬莱の玉の枝』

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 たかだか植物の蔦なんて脆い物……そうは考えていたが、全くの反対。人間を完全に束縛する事まで出来る程に力強く絡み束を作り、引き抜く力に耐えるように根を張り巡らす。植物など脆弱だ、という考えは改めさせられた。  こうなってしまっては一人間に出来る事などない。僕はただ二人のやり取りを見ている事しか出来ない。あまり男を刺激するような事を言わないで欲しいが…… ξ゚⊿゚)ξ「簡単。下級能力者だから、よ。火を出すだけならライターでもバーナーでも出来るわ」 ¥・∀・¥「下級……納得の答えだ……だが!この私は彼とは違」 ξ゚⊿゚)ξ「貴方の能力は最下級だけどね……ただの園芸ですものね(笑)」 ¥・∀・¥「……何だと?」  ……怒りの琴線に触れるどころか、全力で逆撫で。 ξ゚⊿゚)ξ「アンタの家系は実にマヌケな家系。財布の中はパンパンだけど頭の中がカラなんですもの。先祖が隠し子まで作ってたそうじやない? 猿じゃあるまいし。全く……財布だけじゃなくて腰もパンパンしてましたってね(笑)」 ( ^ω^)「……挑発するだけしておいて戦うのはアンタじゃねーんだ。やめてください」  ……よくもまぁ口をついて出るわ。罵る事に関しては最上級能力ですね。
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