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見る見るうちに男の顔は赤くなる。煽り耐性が皆無なのか、実にわかりやすい反応だった。それでもって煽られた方が必死になって煽る方を馬鹿にしだすのは目に見える。
が、彼は何も言い返さない。理由を考えて正論だと先に決めるような弁論ごっこでも始めるか? 否始めない。確かにその通りではある、と言わんばかりに彼は口を結ぶ。
その一方、プルプルと震える男の足元から、僕を拘束した蔦とは別の小さな植物が生えてくる。それは彼の結んだ口が震えるのと呼応するように、じわじわと、無理矢理にも畳を掻き分けて伸びる。
我慢はすでに決壊寸前、とでも言えよう。わなわなと、我が腕だと言わんばかりに蔦をうねらせる様子は、まさに「俺の怒りが有頂天」とでも言おうか。
¥#・∀・¥「我が代々、藤原の血が受け継いだ『力』を最下級だと愚弄するかッ!」
しばらくの沈黙を破り、彼の我慢が一気に解かれた瞬間、
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン! 貴方の左腕を『覚醒させる』わ!」
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