#02 『蓬莱の玉の枝』

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¥ ∀ ¥「随分と……余裕だな、最下級に勝ったくらいで……だが……」  どうやら彼は、遠くにいる『かぐや』と話が出来るらしい。能力ではなく、服のボタンがその機械だ。文明は進化したなぁ。 ξ゚⊿゚)ξ「どちらかと言えば停滞してるんじゃないかしら」 ( ^ω^)「?」 ξ゚⊿゚)ξ「独り言よ」  しかしながら、彼がこれ以上の言葉を吐き出そうとするも出て来ない。かぐやへの報告、吐き出せない。  結局、そこで口を開いたまま彼は絶命した。こちらを睨み、少し笑っているように見えた。どうあれ、命尽きれば人は何も出来ないのだ。考えがあったとしても、それも無だ。  しかし、言葉はなくともそれで伝わる事もある。死亡通告という事だけはしっかりと、相手に伝わっているだろう。結局、最後までなんだかんだでしっかり仕事をやり遂げたではないか。敵ながらあっぱれである。  ……藤原マニーの、最後のあの眼が気になる。絶対に負けない、まだ諦めてなどいない、そう言いたそうな眼をしていた。  報告外で後続に何かを託したのか? 目の前で絶命したのを見ていたが、特別何も目につかなかった。  念のため脈を確認してみた。鼓動は聞こえない。ただ一つ、家がなくなった為に吹き抜けていく風の音だけが悲しく聞こえるだけだった。  完全に死んでいる。呆気なくとも、もう死んでいる。
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