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それでも諦め切れない気持ちは僕自身に否定することは出来ない。もう少し探索したかったが、とりあえず仕事はしなくてはならない。
竹が光ったなら、翌日行けばいい。竹じゃなくて移動する何かだったなら、それは人間だろう。僕は不思議な光のことは頭から外し、そのまま数本、めぼしい竹を切って山を下りた。
* * * * *
竹細工を作りながら、僕は空を見上げた。今夜は月が綺麗に見える。満月だから、という理由だけじゃないのだろう。
なんというか、精神面の問題、気持ちの問題だった。心の中はまるで幼少期によくあった遠足の前日の気分だ。
さっさと細工のノルマを終わらせて、山へ行きたい。そして、いち早く黄金の竹を拝みたい。
( ^ω^)「黄金竹細工なんて作ったらバチがあたるかお……」
しかし、ここで僕はあることに気付く。
( ^ω^)「くさい……コゲくさい……!?」
臭いは何処か、家の中ではない。台所で火の消し忘れではないとすれば心当たりがない。
どうやら臭いは外からだ。急いで外を見てみると、
(;^ω^)「うわあああああ」
普段切っていた竹を保管してある倉庫が炎上している。もうすでに手遅れ、今から火消しをした所で何も残らない。
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