153人が本棚に入れています
本棚に追加
周りに燃え移る物が得になくてよかったが、しかし何故、こんな場所に火が……僕は考えた。
こんな場所で火が起こる要素はない。もしあるとすれば信じられないが自然発火……あるいは―――
('A`)「放火……だったらどうするね」
なんでもない、一人の男が燃え盛る火炎の中から姿を見せる。
(;^ω^)「えっ……!?」
炎の中を、何事もなかったかのように平然と歩ける男などいない。身体に炎が移って、焼け死んでしまう。
しかし、僕はそれを目の前で見た。俄か信じ難いが、目の前にいるってのはそういうことだ。
('A`)「どーやらここじゃねぇみたいだな……何処だ?」
動けない。前に出ても後ろに退いても、先が見えない。下手に動けば自分がヤバイことは解る。
(;^ω^)「なんのことだお」
('A`)「『月』を見なかったか? 本名はわからんが、女だ。ライトじゃないぞ」
( ^ω^)「『月』……?」
どうやら人を探しているようだったが、全く知らない名だった。その女が街で犯罪でも犯してこんな辺鄙な地へ逃げて来たか。
いやしかし、何もいきなり倉庫に火を放つのか? 無断で? 隠れてる可能性があるってだけで?
僕は無意識のうちに落ちていた竹を拾いあげて構えた。
最初のコメントを投稿しよう!