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( ^ω^)「……ッ!」
一瞬。たった一瞬だった。踏み込んで、竹を奮う。握った拳は綺麗な弧を描く。男の額を強く打てば、しなる竹、手に走る痺れのような衝撃。脳震盪を起こしたらしい、男は倒れる。チラッと男の手に炎が見えたがそんなことはなかったぜ。
……僕は違和感を感じた。今までに刀を振ったことは一度もない。玩具の刀を振り回したことならあるかもしれないが、真面目に練習しただとか、そんな過去はない。
それなのに、敵が隙だらけだったとはいえ、見事に敵の懐に潜り込み、一撃で気絶まで持ち込めた。
冷静になってみれば、身体の奥底から沸き上がる物がある。脳から強い電気信号が流れて、それに従って身体も強く動く。今はそんなイメージがある。
ξ゚⊿゚)ξ「あー、よくやったわ」
( ^ω^)「くらえッ!」
突如声がした方向に振り向き様に竹を振り下ろした。もはや条件反射、言い訳のしようがあるまい。
だが、声の主は指一本でその竹の流れを受け流した。向かってくる一本の軌道を描く竹、ならばそれを斜めに軌道をずらしてやればいいだけ。指一本でそれをするなど本来はもっての他だが、彼女にとっては何でもないことだったらしい。
見事に空を切った竹が地面にたたき付けられて、やっと僕はそこで我に帰る。そして、反射的に土下座をしていた。
( ^ω^)「正直スマンかった」
ξ゚⊿゚)ξ「……ま、落ち着きましょうか」
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