#01 『火鼠の皮衣』

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( ^ω^)「……ッ!」  一瞬。たった一瞬だった。踏み込んで、竹を奮う。握った拳は綺麗な弧を描く。男の額を強く打てば、しなる竹、手に走る痺れのような衝撃。脳震盪を起こしたらしい、男は倒れる。チラッと男の手に炎が見えたがそんなことはなかったぜ。  ……僕は違和感を感じた。今までに刀を振ったことは一度もない。玩具の刀を振り回したことならあるかもしれないが、真面目に練習しただとか、そんな過去はない。  それなのに、敵が隙だらけだったとはいえ、見事に敵の懐に潜り込み、一撃で気絶まで持ち込めた。  冷静になってみれば、身体の奥底から沸き上がる物がある。脳から強い電気信号が流れて、それに従って身体も強く動く。今はそんなイメージがある。 ξ゚⊿゚)ξ「あー、よくやったわ」 ( ^ω^)「くらえッ!」  突如声がした方向に振り向き様に竹を振り下ろした。もはや条件反射、言い訳のしようがあるまい。  だが、声の主は指一本でその竹の流れを受け流した。向かってくる一本の軌道を描く竹、ならばそれを斜めに軌道をずらしてやればいいだけ。指一本でそれをするなど本来はもっての他だが、彼女にとっては何でもないことだったらしい。  見事に空を切った竹が地面にたたき付けられて、やっと僕はそこで我に帰る。そして、反射的に土下座をしていた。 ( ^ω^)「正直スマンかった」 ξ゚⊿゚)ξ「……ま、落ち着きましょうか」
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